2009年6月26日金曜日

低分子フコイダンの作用 <アポトーシス>

人の体は60兆個の細胞から成り立ち、新陳代謝しながら生命を保っています。役目を終えた細胞をアポトーシスさせるプログラムは、細胞にある遺伝子に組み込まれています。
しかし、ときどき遺伝子情報が狂い、自然死しない細胞が発現します。これは誰でも日常的に見られます。若い人でも3000、4000個のガン細胞が毎日発生していると言われていますが、すぐに免疫システムが発動し、調和を欠こうとする細胞を殺してしまいます。
問題は、ときに免疫システムに打ち勝ってしまう細胞がいることです。増殖する癌細胞を攻撃する抗がん剤や放射線は正常細胞にも影響し、吐き気や倦怠感、脱毛、肝機能障害といった副作用を起こします。
ガンの進行は止まっても、患者さんの免疫力が低下すれば、ガン細胞は息を吹き返します。しかも、薬剤耐性というヨロイを備えて復活します。
低分子フコイダンはガン細胞だけに特異的に作用してアポトーシスを誘導します。もちろん、食品ですから副作用はほとんどありません。
ただ、複雑な多糖体であるフコイダンのどの成分がアポトーシスを起こさせるのかということについてはまだ研究中です。おそらく低分子の成分ではないかというところまでは追及しています。
アポトーシス誘導は低分子フコイダンの際だった特徴のひとつです。アポトーシスを起こさせる成分が明らかになれば、それだけを抽出することで、より効果が高く、副作用のないガン治療の医薬品、あるいはサプリメントを開発できる可能性があると思います。

2009年6月25日木曜日

統合医療の必要性

現代医学は外敵に対して特効薬を開発し、悪い部分は削除するという考え方で進歩してきました。
しかし、原因は特定できず、予測不能な変化をする病気に対しては、手詰まりの状態です。
なぜなら治病困難な現代病の多くは生命システムに関わる病気であり、そして生命システム自体が今日の科学ではまだ完全に解明されていないからです。
この手詰まり状態に活路を見出すため、ガン治療には各方面からのアプローチ、つまり代替医療が試みられています。
そして、西洋医学と代替医療の長所を合わせた「統合医療」によって末期ガンを克服したという臨床例が多数報告されるようになってきました。

2009年6月18日木曜日

どうしてガンになるのか?

現在日本人の3人に1人がガンで亡くなっており、やがて2人に1人がガンになるであろうといわれています。
なぜ、ガンは増え続けるのでしょう。
要因の1つは食生活にあると考えられています。本来、日本の食卓は栄養バランスに優れた野菜中心の食生活でした。ところが食の洋風化と食材の量産化が進むにつれ、化学合成された農薬や肥料、着色料や防腐剤といった添加物が使われるようになってきました。
こうした化学物質を私たちは恒常的に体内に取り込み、蓄積しています。
すると「糖鎖」という細胞同士をつなぐネットワークが乱れ始めます。これが一部の細胞を変化させ、ガン化させていく原因の一つになっていると見られています。
また、過激なストレスによる活性酸素の増加もヒトの免疫力を低下させ、ガン発現の大きな原因になっていると見られています。

2009年6月4日木曜日

「統合医療と健康を考える会」の発足

じつは、私の研究室には日々多くの研究依頼が寄せられます。
科学的な裏付けがない食品を持ち込み、有効性のデータを求める食品会社の人たちも少なくありません。
しかし、現役の医師が自ら研究室を訪れ、末期ガン患者の臨床例を示し、低分子フコイダンがなぜガン細胞消したのか?
その作用機序を調べてほしいといった依頼は初めてでした。
これは、研究に値する物質ではないかと私は直観しました。反面、一つの著効例だけで盲進することの危険性も感じました。
そこで、フコイダンを取り入れた統合医療を実践されている医師たちと、平成15年に「代替医療と健康を考える会」を発足しました。その後、「統合医療と健康を考える会」に改称し、平成17年にNPO法人の認証を取得しています。